「親が立ち上がりに苦労し始めたので、トイレに手すりを付けてあげたい。でも工事費が心配なんです」。つくば市の現場でご相談を受けるたびに、私たち施工チームは補助金の話から始めるようにしています。
本記事では、介護保険と自治体独自助成の全体像、対象となる工事の種類と費用相場、申請の7ステップ、そして現場で見てきた失敗例と回避策を、リフォエムマガジン編集部の職人視点でお伝えします。読み終わる頃には、ご自宅のトイレ改修で「どの制度を使い、どこに相談すればいいか」の道筋が具体的に描けるはずです。
Contents
高齢者トイレリフォームで使える補助金の全体像
高齢者のトイレリフォームに使える公的制度は、大きく分けて介護保険・自治体独自助成・所得税減税の3系統です。まずは全体像を掴んでから、ご自宅の状況に合う入口を選ぶのが遠回りに見えて一番の近道なんです。
高齢者トイレリフォームで使える3つの制度(介護保険・自治体独自・所得税減税)
介護保険の住宅改修費支給は要支援・要介護認定を受けた方が対象で、支給限度基準額20万円の枠内で1〜3割の自己負担で工事を行える制度です。介護保険とは、40歳以上の国民が保険料を負担し、必要になったときに介護サービスや住宅改修の給付を受けられる公的保険のことです。
つくば市など各自治体は、独自の高齢者向け住宅改修助成を用意している場合があります。介護保険の枠と別建てで手すり設置や段差解消の費用を助成するメニューが多く、要介護認定を受けていないご家族でも対象になるケースがあるんです。
所得税減税(バリアフリー改修促進税制)は、リフォーム工事費の一部を所得税から差し引ける制度で、確定申告で申請します。補助金・助成金とは違う「税金の戻し」ですが、活用すれば実質負担がさらに軽くなる仕組みです。
| 比較項目 | 介護保険住宅改修 | 自治体独自助成 | 所得税減税 |
|---|---|---|---|
| 対象者 | 要支援1〜要介護5 | 高齢者・要介護認定不要のメニューも | 50歳以上または要介護者と同居等 |
| 給付上限 | 20万円×7〜9割 | 市町村ごとに異なる | 工事費200万円まで10%控除 |
| 申請先 | 市区町村介護保険課 | 市区町村高齢福祉課 | 税務署(確定申告) |
| 出典 | 厚生労働省 | 各市区町村 | 国税庁 |
※ 給付上限・対象範囲は年度・自治体により変動します。最新情報は各窓口でご確認ください。
介護保険と自治体独自助成は併用できるのか
結論として、多くのケースで介護保険と自治体独自助成は併用可能です。ただし同一工事に対する重複給付を避けるため、自治体側で調整が入ることがあります。厚労省の枠と市区町村の枠は財源が別ですので、両方の窓口に事前確認するのが安全なんです。
私たちがつくば市内で立ち会った案件では、介護保険で手すり工事を、自治体独自助成で段差解消を、というふうに工事内容ごとに使う制度を分けて申請したケースが多いんです。同じ工事に両方の制度をかぶせるのは難しくても、工事メニューを分ければ両方の枠を活かせる場面が広がります。
つくば市・土浦市エリアでよくご相談いただくパターン
つくば市・土浦市周辺は戸建て住宅の比率が高く、築30年前後のご自宅で「両親の介護に備えたい」というご相談が多い地域です。特に増えているのが、和式便器から洋式便器への交換+手すり設置+床材変更を1回の工事でまとめて行うパターンなんです。
冬場のヒートショック対策として、便座暖房や小型暖房機の設置をあわせて検討されるお客さまも増えました。関東平野の内陸部にあるつくば市は冬場の冷え込みが厳しく、トイレ内の温度差が高齢者に大きな負担になるためです。ヒートショックとは、急激な温度差が血圧を変動させ心筋梗塞や脳卒中の引き金になる現象のことです。
介護保険の住宅改修費支給制度で最大20万円を活用する仕組み
介護保険の住宅改修費支給制度は、要支援・要介護認定を受けた被保険者の方が自宅を改修する際に、支給限度基準額20万円の枠内で工事費の7〜9割が保険給付される仕組みです。1人あたり生涯20万円の枠があり、対象工事は6種類に限定されています。
※ 出典:厚生労働省「介護保険における住宅改修」
対象になるお客さま(要支援1〜要介護5・被保険者証の確認)
対象は要支援1〜要介護5のいずれかに認定された被保険者で、住宅改修の対象住宅がその方の住民票上の住所と一致していることが条件です。介護保険被保険者証に記載された住所と工事する家の住所が違うと、原則として対象になりません。
「うちの親、まだ介護認定を受けていないんです」というご相談も多いのですが、その場合は市区町村の高齢福祉課へ要介護認定申請から始めます。認定調査から結果通知までおよそ30日ですので、リフォームを急ぐご家族はこの段取りから逆算するとスムーズです。
支給額の計算方法(20万円×7〜9割・自己負担1〜3割)
支給額は支給限度基準額20万円×給付率(7〜9割)で算出します。給付率はお客さまの合計所得金額に応じて決まり、一般的な所得の方は9割給付・自己負担1割です。単身で年金収入等280万円以上の方は8割給付、340万円以上は7割給付になります。
計算例で見ていきましょう。工事費20万円・給付率9割の場合、支給額は18万円、お客さま負担は2万円です。工事費が15万円であれば、支給額は13万5,000円、負担は1万5,000円という計算です。工事費が20万円を超えた場合、超過分は全額自己負担になります。
1人1住宅あたり生涯20万円という上限のカウント方法
支給限度基準額の20万円は、原則として1人1住宅につき生涯合計で使い切る枠です。「今回は10万円分だけ工事したので、残り10万円は次回に取っておける」という運用ができるんです。前回改修から日が空いても、枠の残高は自動的に消えません。
例外として、要介護度が3段階以上重くなった場合や、転居した場合には枠がリセットされ、新たに20万円分の枠が再度使えます。介護度の変化があったお客さまは、ケアマネジャーに枠の再取得可否を確認してみてください。
20万円を超える工事はどう扱うか
トイレの全面改修は、便器交換・手すり・床材・扉の入替えをまとめて行うと工事費が20万円を超える場面が出てきます。この場合、介護保険の対象工事分だけ切り出して申請し、それ以外は一般リフォームとして自費または他制度でカバーする流れです。
私たちが現場で必ずお伝えしているのは、見積書を「介護保険対象工事」と「対象外工事」で明細を分けて作成するという凡事徹底のルールです。市区町村への提出書類でこの区分が明確でないと、支給申請の段階で差し戻しになることがあります。地味に見えて効く一手なんです。
つくば市・茨城県の高齢者トイレリフォーム補助金・助成制度
茨城県内の自治体独自助成は年度ごとに条件と予算枠が変わります。介護保険と別枠で使えるメニューがある一方で、年度途中で予算が締切になるケースもあるため、早めの情報収集が肝心です。
つくば市の高齢者向け住宅改修助成の考え方
つくば市では、高齢者や障害のある方が安心して在宅生活を続けられるよう、住宅改修に関する複数の窓口を用意しています。介護保険の住宅改修は介護保険課、障害福祉サービス関連の住宅改修は障害福祉課、要介護認定に至らないケースの相談は地域包括支援センターが入口です。
年度予算の状況や制度の詳細は毎年更新されるため、最新情報はつくば市の公式サイトまたは電話での確認が確実です。私たちがお客さまと現地調査に伺う際は、その場でケアマネジャーに電話して制度活用の可否を一緒に確認するようにしています。
茨城県内の主要自治体(土浦市・つくばみらい市・牛久市など)の傾向
土浦市・つくばみらい市・牛久市・かすみがうら市など茨城県南エリアの自治体でも、介護保険住宅改修の受付は行われています。自治体独自の助成メニューは市によって濃淡があり、「介護保険上乗せ助成」「バリアフリー化助成」「住まいのリフォーム助成」などの名称で運用されているケースがあります。
年度によっては予算枠が数百万円規模と限られ、早い者勝ちになる場面もあるんです。ご検討中のお客さまは、年度初め(4〜5月)に一度、お住まいの市区町村ホームページで「高齢者 住宅改修」「バリアフリー 助成」で検索してみてください。

地域包括支援センター・ケアマネジャーと連携する流れ
補助金活用の実務は、地域包括支援センターやケアマネジャーとの連携なしには回りません。ケアマネジャーとは、要介護認定を受けた方のケアプランを作成し、介護サービスと住宅改修を含めた生活全体を支援する専門職のことです。
住宅改修理由書はケアマネジャーが作成することが多く、施工業者はケアマネジャーと連携して現地調査結果や工事内容を共有します。私たちリフォエムでは、必ずケアマネジャーと現地で三者面談を行い、お客さまの動線・介助方法・将来の身体状況変化まで踏まえた設計を組み立てるんです。
「うちの市はどこに聞けばいい?」窓口の見つけ方
窓口が分からずに立ち止まっているお客さまへ、シンプルな道筋をお伝えします。第一の窓口はお住まいの市区町村の高齢福祉課または介護保険課です。第二の窓口は地域包括支援センターで、こちらは中学校区ごとに設置されているケースが多いんです。
「電話で聞くのが不安」というお客さまは、市区町村ホームページの「介護 住宅改修」ページを印刷して施工業者に見せてください。私たちも普段からお客さまと一緒に窓口の情報を確認しています。分からないことを分からないままにしないのが、凡事徹底の第一歩じゃないですか。
介護保険対象になるトイレリフォーム工事の種類と費用相場
介護保険の住宅改修費で対象になる工事は6種類に限定されており、トイレでは主に手すり・便器交換・床材・扉の4項目で使うケースが中心です。単純な設備グレードアップは対象外になるため、対象範囲を正確に把握することが取りこぼしを防ぐ第一歩です。
L字・縦・横を組み合わせて立ち座りと移動を支援します。
敷居撤去・スロープ設置。転倒リスクを大きく下げます。
クッションフロア等へ張替え。水濡れ対策にも有効です。
開き戸から車椅子や介助しやすい形状に変更します。
和式→洋式は対象。快適性向上のみの交換は対象外です。
下地補強・給排水管の位置変更等。上記5工事に伴う付帯部分。
※ 費用相場は目安。現地調査でお見積もりします。
手すりの取り付け(L字・縦・横)の費用と選び方
トイレの手すりは立ち座り時のL字手すり・移動時の縦手すり・便座横の横手すりを組み合わせるのが基本です。費用相場は1本あたり1万5,000円〜3万円で、材料費・下地補強・取付工事費・処分費を含めた金額です。
現場で見てきて痛感するのは、既存の壁下地が薄いご自宅で「見栄えを気にして小さめの手すりを選んだら数か月でぐらついた」という失敗例が多いことです。私たちは必ず下地の状況をお客さまと一緒に確認し、必要に応じて下地補強板を先に入れる工事を提案しています。安全に手を抜くのは、逃げちゃいけない部分なんです。
和式から洋式便器への交換(介護保険の対象範囲)
和式から洋式への便器交換は介護保険の対象工事に含まれます。費用相場は便器本体・給排水工事・床補修を含めて15万〜30万円が目安ですが、和式便器を撤去した後に床を平らにする「かさ上げ工事」や、給排水管の位置変更が必要な場合はさらに費用が加算されます。
一方で、既に洋式便器を使っていて「温水洗浄便座を追加したい」「便器のグレードを上げたい」だけの工事は、原則として介護保険の対象外です。ここは間違えやすい線引きですので、事前申請の段階でケアマネジャーと施工業者に必ず確認してください。
滑りにくい床材への張り替え・段差解消
トイレの床は水濡れや尿ハネで滑りやすくなり、高齢のお客さまが転倒するリスクが高い場所です。クッションフロアやタイルカーペットなど滑りにくい床材への張り替えは介護保険の対象で、費用相場は3万〜6万円(トイレ1畳程度)が目安になります。
段差解消(敷居撤去・スロープ設置)も対象工事の1つです。特に築年数の古い住宅では、トイレ入口に高さ2〜3センチの敷居があり、車椅子や歩行器のご利用時につまずきやすいんです。段差解消工事の費用相場は1万〜5万円と手が届きやすく、費用対効果が非常に高い工事と言えます。
開き戸から引き戸・折れ戸への扉交換
開き戸は開閉時に体を大きく引く動作が必要で、狭いトイレでは車椅子や介助者と干渉しやすい構造です。引き戸や折れ戸への交換は介護保険の対象工事で、費用相場は10万〜20万円が目安です。既存の柱・鴨居を活かすか、壁を作り直すかで費用が変わります。
私たちが担当した土浦市の案件では、トイレ入口を引き戸に変えたことで介助者が両手で身体を支えられるようになり、ご家族から「介助のストレスが減りました」というお声をいただきました。工事の効果は数字だけでなく、ご家族の日々の負担軽減に直結するんです。
対象外になりやすい工事(温水洗浄便座の単純交換など)
対象外工事の代表例は、温水洗浄便座の単純交換・便器のグレードアップ目的のリフォーム・タンクレストイレへの変更です。快適性向上のみを目的とした工事は制度趣旨から外れます。装飾目的の壁紙張替えや、収納棚の追加設置も原則対象外です。
「対象外だから諦める」のではなく、対象工事と組み合わせて費用を最適化するのが賢い進め方です。手すり・床材交換で介護保険を使いながら、快適装備は自費で加える組み立てにすれば、ご家族の満足度と補助金の活用度の両立が可能なんです。
補助金申請の手順とスケジュール【7ステップ】
介護保険住宅改修は事前申請が必須で、工事後の後追い申請は原則認められません。手順を7ステップで整理し、逃さないための段取りを固めていきましょう。
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1相談ケアマネジャー・地域包括支援センターへの相談
トイレの困りごと・生活動線・希望する改修内容を伝えます。
目安:数日〜1週間 -
2現地調査リフォーム業者による現地調査・見積書の取得
対象工事と対象外工事を分けた明細で見積書を作成してもらいます。
目安:1〜2週間 -
3書類準備住宅改修理由書・事前申請書類の準備
ケアマネジャーが理由書を作成し、見積書・図面と一式に整えます。
目安:1週間程度 -
4事前申請市区町村への事前申請と承認
承認前の工事着手は原則として支給対象外になります。必ず承認通知を待ちます。
目安:2週間前後 -
5工事工事の実施と支払い(いったん全額立替)
工事完了後、施工業者に全額を支払います。工事写真の受領を忘れずに。
目安:1〜3日 -
6支給申請完成後の支給申請と領収書提出
領収書・工事完了確認書・内訳明細書・工事写真を市区町村に提出します。
目安:数日 -
7払戻し保険給付分の払い戻し(受領委任払いの選択肢あり)
工事費の7〜9割が指定口座に振り込まれます。受領委任払いなら自己負担分だけの支払いです。
目安:1〜2か月
STEP1 ケアマネジャー・地域包括支援センターへの相談
まずはケアマネジャーまたは地域包括支援センターへの相談から始めます。要介護認定を受けている方はケアマネジャーが最初の窓口、要支援・未認定の方は地域包括支援センターへ連絡してください。相談時にトイレの困りごと・生活動線・希望する改修内容を伝えます。
STEP2 リフォーム業者の現地調査・見積もり取得
続いてリフォーム業者の現地調査と見積書の取得です。可能であれば2〜3社に相見積もりを依頼し、内容を比較検討します。見積書は「介護保険対象工事」と「対象外工事」を明確に分けた形式で作ってもらうのが後工程で効いてくるんです。
STEP3 理由書と事前申請書類の準備
住宅改修が必要な理由書はケアマネジャーが作成し、施工業者の見積書・工事図面・完成予想図とセットで市区町村に提出する書類一式を整えます。理由書には現在の身体状況・改修による生活改善効果・改修が必要な根拠が具体的に記載される必要があります。
STEP4 市区町村への事前申請と承認
書類一式を市区町村の介護保険課に提出し、承認を待ちます。標準的な審査期間は2週間前後で、承認通知が届いてから工事に着手する流れです。承認前に工事を始めてしまうと、原則として支給の対象外になります。
STEP5 工事の実施と支払い(いったん全額立替)
承認後、施工業者と工程を調整し工事を実施します。原則として工事費は一旦全額をお客さまが施工業者に支払い、後日、保険給付分が市区町村から払い戻される償還払いが基本です。工事期間はトイレ1室の改修で1〜3日が目安になります。
STEP6 完成後の支給申請と領収書提出
工事完了後、領収書・工事完了確認書・工事内訳明細書・工事前後の写真を市区町村に提出して支給申請を行います。写真は工事前・工事中・工事後を撮影しておき、施工業者から必ず受け取ってください。
STEP7 保険給付分の払い戻し(受領委任払いの選択肢)
支給申請から1〜2か月後に、保険給付分(工事費の7〜9割)がお客さまの口座に振り込まれます。「一時的な全額立替が難しい」お客さまには受領委任払い制度があり、施工業者が保険給付分を直接受け取り、お客さまは自己負担分(1〜3割)のみを支払う仕組みです。受領委任払いの利用可否は市区町村で異なるため、事前確認してください。
補助金を最大限活用するリフォエム流「凡事徹底」チェックリスト
補助金の取りこぼしを防ぐ最短ルートは、工事開始前の段取りで当たり前の項目を1つずつ埋めていくことです。私たちが現場でお客さまと一緒に確認している要点を共有します。
※ チェックボックスは動作確認用です。実際の申請では書面での確認をお願いします。
工事開始前に必ず押さえる5つの確認事項
工事着手前に確認したい項目は要介護認定の有効期限・被保険者証住所と工事住所の一致・見積書の対象/対象外区分・理由書の内容整合・自治体独自助成の併用可否の5つです。1項目でも抜けると、事前申請が差し戻されて工事開始が2〜3週間遅れる場面が出てきます。
とりわけ要介護認定の有効期限切れは見落としやすい落とし穴です。更新申請が遅れて認定が切れた状態で工事を始めると対象外になるため、認定更新のタイミングと工事日程を必ず突き合わせてください。
見積書と理由書の整合を取るコツ
見積書と理由書は工事内容・数量・位置が完全に一致している必要があります。ケアマネジャーが作成する理由書に「トイレ入口手すり」と書かれているのに、見積書が「トイレ入口〜洗面所手すり」となっていると差し戻しの対象なんです。
リフォエムでは、ケアマネジャーに見積書のコピーを事前共有し、理由書のドラフトを見せていただいてから最終見積書を確定させる運用を徹底しています。少し手間ですが、後戻り工数を減らす一番の近道です。
写真・記録の残し方(Before/After・工程写真)
支給申請時に必須なのが工事前・工事中・工事後の3種類の写真です。工事前は改修前の状況、工事中は取付作業の様子、工事後は完成状態を、それぞれ全景と細部の2アングルで撮影しておくと市区町村からの追加提出要求にも対応できます。
私たちは工事開始時にお客さまへ「今日撮影する写真は補助金申請でも使いますね」とお声掛けし、写真の共有もLINEやメールで即時にお送りしています。撮り忘れは工程写真で最も起こりやすい失敗ですので、複数人でチェックする体制を組んでいるんです。
リフォーム後の点検・アフター対応まで含めた「未来設計」
工事は完成して終わりではありません。手すりや床材は数年経つと緩みや劣化が出てきますし、身体状況の変化に合わせて追加改修が必要になる場面もあります。リフォエムの「みらいプランニング」は、1年後の無料点検・5年後の状態確認・10年後の再改修相談を織り込んだ設計思想です。
BtoF(Business to Fan)という考え方を大切にしていて、工事後もご家族と長く伴走する関係を築くことを目指しています。ご家族の暮らしと建物の状態を一緒に見守っていく——それが凡事徹底というリフォエムの合言葉に込めた覚悟です。
よくある失敗例と、現場で見てきた注意点
「補助金が下りると思っていたのに対象外だった」というご相談は、実は毎年繰り返されるパターンがあるんです。私たちが立ち会ってきた失敗例を4つ挙げ、同じつまずきを避けるための注意点をお伝えします。

事前申請を忘れたまま工事を始めてしまったケース
土浦市の80代のお客さまで、「早く安心して暮らせるようにしたい」というお気持ちが先行し、市区町村への事前申請前に工事を進めてしまったケースがありました。結果として介護保険の支給対象から外れ、全額自費負担になってしまったんです。
回避策はシンプルで、「事前申請の承認通知書が届くまで工事着手しない」を絶対のルールにすることです。急ぎたいお気持ちは分かるのですが、順序を守ることが結果的に一番早い解決になります。
温水洗浄便座への「快適性目的の交換」で対象外になったケース
「和式から洋式への交換だから対象になるはず」と考えていたところ、実際は既存洋式便器から温水洗浄便座付きへの単純グレードアップだったため対象外になったケースです。介護保険は「機能改善目的の工事」に限定されるため、快適性向上のみは対象外になるんです。
回避策は、事前申請の理由書段階で「なぜその工事が身体機能の維持に必要か」を具体的に記載することです。例えば「立ち座り動作の介助を要する状態にあり、便器の座面高さを○センチ上げる必要がある」といった医療的・介護的必要性が明確であれば、対象工事として認められる余地が広がります。
自治体の予算枠が年度途中で終了していたケース
自治体独自助成は年度予算制で運用されており、予算枠を使い切ると年度途中で受付終了になるケースがあります。牛久市の案件で「秋口に相談したら今年度の予算はもう終了しています」と言われ、翌年度まで工事を先送りしたお客さまがいらっしゃいました。
回避策は、年度初め(4〜5月)に情報収集を済ませておくことです。介護保険と違い、自治体独自助成は予算枠が有限であることを前提に、早めに申請の意思表示を市区町村に伝えておくのが賢明なんです。
被保険者証の住所と工事住所が違ったケース
介護保険住宅改修は被保険者証記載の住所地の住宅が対象です。「実家をバリアフリー化したい。両親はまだ元気だから一緒に住んでいるけれど、被保険者証の住所は別」というケースで対象外と判定されたお客さまがいらっしゃいました。
回避策は、工事対象住所と被保険者証住所の一致を工事着手前に必ず確認することです。住民票を移す必要があれば市区町村役場での手続きが先ですので、リフォームの計画と並行して住所関係の整理を進めてください。
よくあるご質問(FAQ)
現地調査や無料相談で特にご質問の多い5項目をまとめました。ご家族の意思決定で迷ったときの参考にしてください。
要介護認定を受けていない親のトイレ改修でも補助金は使える?
介護保険の住宅改修費は要支援・要介護認定が前提です。まだ認定を受けていないご家族の場合は、市区町村の高齢福祉課へ要介護認定申請を行うのが最初の一歩になります。自治体独自の高齢者向け住宅改修助成には認定不要のメニューもありますので、地域包括支援センターにあわせて相談してみてください。
賃貸住宅でも介護保険の住宅改修は使える?
はい、賃貸住宅でも住宅改修費支給の対象になります。ただし所有者(大家さま)の承諾書が必要ですし、原状回復を条件とする物件では扉交換など大掛かりな工事が難しい場面もあります。事前にオーナーとの合意形成を進めておくとスムーズなんです。
介護保険と自治体助成金・所得税減税は併用できる?
多くのケースで併用可能です。ただし同一工事に対して重複給付を避ける調整が入ることがあり、自治体によって扱いが異なります。事前申請の段階で、市区町村担当課と施工業者に併用可否を必ず確認するのが安全な進め方です。
申請から支給までどのくらいの期間がかかる?
事前申請の承認は概ね2週間前後、工事完了後の支給申請から実際の払い戻しまでは1〜2か月かかるケースが一般的です。受領委任払いを選べば、お客さまの窓口負担は自己負担分(工事費の1〜3割)で済みますので、資金繰りが気になる方は初期段階から業者に相談してください。
補助金申請に慣れていない業者に頼んで大丈夫?
補助金申請は書類作成の経験値によって進行速度が大きく変わります。介護保険住宅改修の実績が複数ある業者を選ぶのが安心です。相見積もりの際に「介護保険住宅改修の申請サポート経験は何件くらいありますか」と率直に尋ねてみてください。私たちも「これまで担当した件数と、そこで起きたトラブル・解決策」を包み隠さずお伝えするようにしています。
高齢者トイレリフォームの補助金は、介護保険の住宅改修費支給(上限20万円)を軸に、自治体独自助成・所得税減税を組み合わせて設計するのが基本です。事前申請が必須という一点さえ押さえれば、当たり前を1つずつ積み上げることで補助金を最大限に活かせるはずです。
つくば市・土浦市の現場でリフォーム工事に携わってきた私たちリフォエムは、凡事徹底の姿勢で書類作成から工事・アフター点検までを担当します。ご家族の未来を守る安全と安心のために、まずはお近くの地域包括支援センターや、信頼できるリフォーム業者にご相談ください。ご質問があれば、リフォエムマガジンのお問い合わせからいつでもお声掛けください。
関連記事もあわせてご参照ください。 – 補助金・助成金・保険カテゴリ – 水回り・室内リフォームカテゴリ – つくば・茨城の地域情報
【出典】 – 厚生労働省「介護保険における住宅改修」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/jyutaku.html – 厚生労働省「介護保険制度の概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000213177.html
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この記事の監修者
浜路 洋一郎 (はまじ よういちろう)
株式会社リステップ 代表取締役
茨城県つくば市を拠点に、足場工事・外壁塗装・抗菌施工を手がける株式会社リステップ代表。 リフォーム部門「リフォエム」を運営し、「安全安心であなたの未来を守ります」を理念に掲げる。 つくば市・土浦市の現場で実際に施工する立場から、本記事の費用相場・工法・安全に関する内容を確認・監修しています。