外壁の北面に、うっすら緑色の汚れが広がっていませんか。「そろそろ塗り替えかな」と業者に相談したら、見積書に「バイオ洗浄」という項目が入っていて驚いたお客さまも多いのではないでしょうか。
本記事では、バイオ洗浄の目的・高圧洗浄との違い・費用相場・つくば市周辺で必要になりやすい理由・注意点を、現場スタッフの目線でひとつずつご案内いたします。お客さまが安心して塗装工事を進めるための判断材料になれば嬉しく思うんです。
バイオ洗浄とは|外壁塗装前に藻・カビを根から除去する下地処理
バイオ洗浄とは、外壁塗装の前工程で行う下地処理のひとつで、専用の薬剤(バイオ洗浄剤)を外壁に散布して、藻・カビ・コケなどの微生物を殺菌・分解しながら洗い流す作業のことをいいます。塗料メーカー各社の施工マニュアルでも、旧塗膜表面に微生物汚染が見られる場合は、殺菌成分を含む洗浄剤による下地処理が推奨されています。

バイオ洗浄の目的は「見た目」ではなく「塗料の密着」
多くのお客さまは「見た目をきれいにする作業」だと思われがちなんです。ですが本当の目的は違います。外壁の表面に残った微生物の根を殺菌し、塗料がしっかり密着する下地を作ることが本質です。
微生物の根が生きたまま塗料を上から被せると、内部から膜が押し上げられ、数年で塗膜の膨れや剥がれにつながります。塗装業界誌『塗料と塗装』でも、旧塗膜面のカビ・藻が塗膜剥離の主因となるとの解説が繰り返し掲載されています。下地の一手間で、10年以上の耐久年数を守れるかが決まる工程なんですね。
使われる薬剤の成分(次亜塩素酸系・界面活性剤系)
バイオ洗浄剤には、主に次亜塩素酸ナトリウム系(殺菌・漂白作用)と界面活性剤系(汚れ剥離)を組み合わせた製品が使われます。国内では日本ペイント・エスケー化研・関西ペイントなど、大手塗料メーカーが自社ブランドの外壁用バイオ洗浄剤を販売しています。
薬剤を外壁に散布したあと、成分が藻やカビの根まで浸透する時間を確保します。十分な浸透時間を取らずに水で流してしまうと、殺菌が中途半端になり効果が出ません。現場で「今日はスケジュール的に時間がなくて…」と工程を端折るような業者さんには、お気をつけいただきたいところです。
つくば市周辺で藻・カビが出やすい家の条件
つくば市・土浦市・かすみがうら市など茨城県南のご家庭で、私たちが「藻・カビが出やすい家」としてよく目にするのは以下の3条件です。
- 北面・東面など日照時間が短い外壁
- 敷地内や隣地に大きな樹木・雑木林が近い
- 田畑や水路が周辺にあり、湿気が抜けにくい立地
つくば市の中でも、桜地区・栗原地区・北条地区のように筑波山からの湿った風が抜ける住宅街では、築10年前後で北面がまだら模様になっているお家を数多く拝見します。
バイオ洗浄と高圧洗浄の違い|工程・水圧・薬剤の使い方
「高圧洗浄だけでは、なぜダメなんですか」というご質問を、現場でも本当によくいただきます。結論から申し上げると、高圧洗浄は”物理”で汚れを剥がす作業、バイオ洗浄は”化学”で微生物を殺菌する作業であり、両者は代替関係ではありません。組み合わせて初めて、塗装に耐えられる下地が整います。
作業の順番(散布→浸透→高圧洗浄で流す)
現場では、以下の順序で下地処理を進めます。
- 足場と養生(近隣・植栽・車をシートで保護)
- バイオ洗浄剤の散布(低圧噴霧器で外壁全体に吹き付け)
- 薬剤の浸透時間を確保(外壁の状態に応じて15〜60分)
- 高圧洗浄で薬剤と汚れをまとめて洗い流す
- 乾燥(天候により1〜2日)
「散布 → 浸透 → 洗い流す」の3手順が正しい流れです。この浸透時間こそが、目に見えない品質差なんですよ。
水圧の目安と外壁材ごとの調整
高圧洗浄の水圧は、一般的に10〜15MPa(メガパスカル)前後に調整します。外壁材によっては、圧を下げないと表面を傷めるケースがあるんですね。
- サイディング:目地シーリングを傷めないよう水圧を弱め、シーリング部は直射を避ける
- モルタル・スタッコ:既存塗膜が浮いている部分は圧を弱めて剥離を最小化
- ALCパネル:吸水しやすいため、水圧より薬剤の効かせ方を優先
「水圧が強いほどきれい」というのは実は誤解で、外壁材ごとに最適な圧に合わせる判断が職人の腕の見せどころです。
1棟あたりの作業時間(平均1〜2日)
30〜40坪の一般的な戸建てで、バイオ洗浄と高圧洗浄を合わせて1〜2日が目安です。天候・外壁の汚れ具合・付帯部(軒天・雨樋・破風板)の点数によって前後します。
「1日で終わりました」と言われても、外壁の面積が広いお家ではそもそも1日で丁寧に処理するのは難しいんです。工程表に無理がないか、事前にご確認いただきたいポイントでもあります。
バイオ洗浄の費用相場|坪数・外壁材別の目安
バイオ洗浄の費用は、外壁塗装の見積書の中で「洗浄費」または「下地処理費」に組み込まれることが多く、高圧洗浄とセットで1棟あたり2〜7万円前後が目安です。ただし外壁の状態・足場の有無・お家の形状によって幅があります。あくまで参考値としてご覧いただき、詳細は現地調査でのお見積もりが基本となります。
戸建て30坪・40坪のケース別の目安
私たちの現場感覚として、以下の目安をご案内できます(つくば市周辺・2025年時点)。
- 30坪程度の戸建て:バイオ洗浄+高圧洗浄セットで2〜4万円が目安
- 40坪程度の戸建て:3〜5万円が目安
- 50坪以上の大きめの戸建て:5〜7万円が目安
外壁塗装の総額(80〜150万円)に対して、洗浄工程の占める割合は数%です。この数%を削るために耐久年数を落とすのは、長い目で見て損という現場感覚があります。
サイディング/モルタル/ALCで変わる価格
外壁材によって、洗浄の丁寧さと薬剤の使用量が変わります。
- サイディング:目地の数が多く、養生に時間がかかる(やや高め)
- モルタル・スタッコ:凹凸が深く、薬剤が入り込みやすい反面すすぎに時間がかかる
- ALCパネル:吸水性が高く、薬剤選定に注意が必要
素材ごとの相性を見極めるのは、地元でたくさんのお家を見てきた現場の目が頼りになる部分なんです。
追加費用が発生しやすいケース
見積時に想定していなかった追加費用が発生する典型的なケースは以下です。
- 藻・カビの発生が想定以上に多く、2回洗浄が必要な場合
- 屋根・付帯部(雨樋・破風・軒天)にも同時にバイオ洗浄を行う場合
- 旧塗膜の剥離が広範囲に及び、追加のケレン作業が必要な場合
「あとから追加請求」を避けるには、現地調査時に写真付きで見積根拠を出してもらうことが安全です。リフォエムでは、お見積もり時に必ず外壁の写真をお渡しし、なぜその費用が必要かをご説明しております。
バイオ洗浄が必要な家・不要な家|見極めのポイント
バイオ洗浄はすべての家に必須ではありません。藻・カビ・コケの発生が少ない外壁なら、通常の高圧洗浄で十分なケースもあります。ここでは、私たちが現地調査で確認しているチェックポイントを整理いたします。
北面・日陰・植栽の近くは要注意
日光が当たりにくい北面・東面は、湿気が抜けにくく微生物が繁殖しやすい場所です。敷地内に大きな樹木がある場合や、隣地が雑木林のお家では、南面でも藻が出るケースがあります。「日陰+湿気+汚れ」がそろう場所が要注意ゾーンという覚え方が分かりやすいのではありませんか?
築10年以上でチョーキングが出ている家
築10年以上で、外壁を手のひらで軽くこすったときに白い粉(チョーキング現象)が付くお家は、塗膜の防水機能が低下しているサインです。この状態で藻・カビが表面に定着していると、バイオ洗浄なしで塗装するのは危険信号と考えていただきたいところなんです。
一級塗装技能士の職人からすると、チョーキング+藻の組み合わせは「下地処理で妥協してはいけないパターン」に分類されます。
自分でチェックできる3つのサイン
現地調査に来てもらう前に、お客さまご自身で確認できるサインを3つご紹介します。
- 北面の外壁を目視:うっすら緑色・黒色の汚れがあるか
- 手のひらチェック:外壁を軽くこすって白い粉が付くか(チョーキング)
- 目地の状態:シーリングにひび・切れ・肉痩せがあるか
3つのうち2つ以上当てはまるお家は、バイオ洗浄を含めた本格的な下地処理が必要になる可能性が高いです。
つくば市・茨城県南でバイオ洗浄が効きやすい理由
つくば市を含む茨城県南は、地形と気候の両面から外壁に藻・カビが発生しやすい地域です。だからこそバイオ洗浄が効きやすく、逆に省略すると後悔しやすい地域とも言えます。

つくば・土浦の気候と外壁への影響
気象庁のつくば地点における1991-2020年の平年値では、年間降水量は約1,300mm、年平均相対湿度は約74%、8月の平均気温は26℃台と、微生物が活発に繁殖する条件が長く続きます。梅雨から秋雨にかけて、湿度80%以上の日が連続することも珍しくありません。
こうした環境下では、塗料メーカーが想定する耐用年数を発揮するには、下地処理での殺菌工程がほぼ必須という現場実感があります。
近隣の田畑・雑木林が外壁に与える影響
茨城県南の住宅は、市街地でも田畑や雑木林と隣接しているお家が多いんですね。周辺の緑地から飛んでくる胞子・花粉・土埃が、湿った北面に付着し、そこに藻・カビが定着していくパターンをよく見かけます。
「田んぼの向こう側の家ほど、北面が緑色になりやすい」というのは、地元で施工を重ねてきた私たちの現場感覚です。
地元業者だから分かる「よく出る症状」
つくば市・土浦市・かすみがうら市・つくばみらい市・牛久市など、茨城県南で私たちがよく目にする症状は以下のパターンです。
- 北面全面がまだらの緑色(藻)
- 軒天・破風板の黒ずみ(カビ)
- 基礎立ち上がりの水はね跡+コケ
- 北面のシーリング部分の黒変
同じ「外壁が汚れている」でも、原因菌の種類と最適な薬剤が違います。地元でたくさん現場を踏んでいるからこそ、外壁を一目見ただけでおおよその処方箋が浮かぶ、と私たちは考えています。
バイオ洗浄の注意点|施工前に業者に確認したいこと
バイオ洗浄は薬剤を使う作業のため、植栽・車・近隣への配慮が欠かせません。施工前に業者に確認しておきたいポイントを、現場スタッフの目線で整理しました。
近隣・植栽・車の養生はどこまでしてくれるか
バイオ洗浄剤は次亜塩素酸系が含まれることが多く、植栽や車の塗装面に付着すると変色の原因となります。「どこまで養生するか」を、契約前に必ずご確認いただきたいところです。
リフォエムでは、隣家の車・植栽・エアコン室外機まで含めた養生範囲を、お見積もり時に写真付きで具体的にお伝えするようにしています。近隣トラブルの多くは、事前説明の不足から生まれるという現場実感から生まれた凡事徹底です。
薬剤の希釈・浸透時間の記録が残るか
現場によっては、薬剤の希釈率・散布量・浸透時間が記録されないままの業者さんもいらっしゃるようです。「今日はどのくらいの濃度で、何分置きましたか」と後日聞ける会社を選ぶのが、お客さまの安心につながります。
私たちは、洗浄工程の写真と作業記録を工程日報として残し、お引き渡し時にお渡しする運用をしています。
「バイオ洗浄」と言いつつ実は水洗いだけ、を見抜く
見積書に「バイオ洗浄一式」と書かれていても、実際は薬剤を使わず高圧洗浄だけで済ませていたという残念な事例も業界内では耳にします。見抜くポイントは3つです。
- 薬剤名(メーカー名・製品名)が明記されているか
- 散布→浸透→高圧洗浄の3工程が工程表に分かれているか
- 写真での工程報告があるか
この3点をきちんと出してくれる業者さんなら、まずは安心してよいのではないでしょうか。
よくあるご質問(FAQ)
お客さまからよくいただくご質問を、5つに絞ってご紹介いたします。追加のご不明点があれば、現地調査のときに遠慮なくお尋ねください。
Q1. バイオ洗浄をすると外壁塗装の耐久年数はどのくらい延びますか?
一概には言えませんが、下地に藻・カビが残っていると数年で塗膜が剥離するケースもあり、逆にしっかりバイオ洗浄をしてから塗装した場合は、塗料本来の耐用年数(10〜15年程度)を発揮しやすくなります。塗料の性能を「引き出す作業」とお考えいただくと分かりやすいかもしれません。
Q2. バイオ洗浄後、どのくらいで塗装工程に入りますか?
外壁を完全に乾燥させる必要があるため、洗浄後は1〜2日程度の乾燥期間を取ってから下塗り工程に進むのが一般的です。天候や湿度によって前後します。乾燥不足のまま塗装すると密着不良の原因になるため、雨天の翌日などは特に慎重に判断いたします。
Q3. 自分でバイオ洗浄することはできますか?
市販のカビ取り剤で部分的にお手入れすることは可能ですが、外壁全体は面積が広く高所作業も伴うため、無理をせずプロにご相談いただくのが安全です。転落事故のリスクや、薬剤の飛散による近隣トラブルの心配もあります。「気になる部分だけ試したい」というお客さまには、手の届く範囲で市販の中性洗剤をご案内することもあります。
Q4. バイオ洗浄剤は人体やペットに影響はありませんか?
主成分の次亜塩素酸系は、水で薄めて使用することで安全性を確保しています。ただし散布中と乾燥までの時間は、洗濯物を外に干さない・ペットや小さいお子さまが近づかないよう養生を徹底しています。作業日程は事前にお伝えし、生活動線への配慮を最優先いたします。
Q5. 屋根にもバイオ洗浄はできますか?
はい、可能です。屋根の場合は特にコケ・カビが繁殖しやすく、外壁よりもバイオ洗浄の効果が出やすい部位とも言えます。ただし屋根材の種類(スレート/金属/セメント瓦)によって薬剤の選定と水圧調整が異なりますので、屋根塗装をご検討のお客さまは合わせてお見積もりさせていただきます。
まとめ|下地処理の一手間が、お客さまの未来を守る
バイオ洗浄は、塗料の耐久年数を守るための下地処理であり、藻・カビ・コケが発生しやすい茨城県南のお家では特に重要な工程です。「見た目」ではなく「塗料の密着」を守るための一手間、と覚えていただけると分かりやすいのではないでしょうか。
私たちリフォエムは、「安全で安心をお客さまの未来にお届けする」という理念のもと、下地処理という目に見えにくい工程こそ徹底する姿勢を大切にしています。凡事徹底で、お客さまの不安を打破し、10年先も微笑んで我が家を眺めていただけるお手伝いをいたします。
外壁塗装をご検討のお客さまは、まず北面の外壁を一度ご確認いただき、緑色の汚れやチョーキングが見られたら、現地調査でお気軽にご相談くださいませ。
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この記事の監修者
浜路 洋一郎 (はまじ よういちろう)
株式会社リステップ 代表取締役
茨城県つくば市を拠点に、足場工事・外壁塗装・抗菌施工を手がける株式会社リステップ代表。 リフォーム部門「リフォエム」を運営し、「安全安心であなたの未来を守ります」を理念に掲げる。 つくば市・土浦市の現場で実際に施工する立場から、本記事の費用相場・工法・安全に関する内容を確認・監修しています。